Feverfew

フィーバーフュー


キーワード

偏頭痛

 学名  Tanactum parthenium
 分類  キク科ヨモギギク科
 別名  ナツシロギク、マトリカリア、ワイルドカモミール、フェザーフュー
 使用する部位  葉
 温度  耐寒性あり
 主要成分  セスキテルペンラクトン、精油
 症状別の効果  頭痛、喘息、花粉症・アレルギー性鼻炎、
 作用  消炎、鎮静、鎮痛、血管拡張
 使い方のポイント  偏頭痛には有効なハーブ。サプリメントで効果的に摂取しよう。ティーは刺激が強いので注意。
 使用は控えるべき点

 妊娠中、授乳中、子供には使用しない。医薬品を服用している場合は、医師に相談すること。

 また、抗凝固剤をしている人は使用しない。

■フィーバーフューの特徴

フィーバーフューは、タンポポやマリーゴールドの仲間で、多年草。

毎年ひっそりとヒナギクやカモミールに似た小さな愛らしい花をたくさん咲かせる。

旺盛な生命力からワイルドカモミールの別名をもっている。

キク科特有のツンとする香りが特徴。

強烈な苦い香りを放つことから、昔の人々は家の周りにフィーバーフューが生えていると空気が清められ、穢れが清められると信じてきた。

温帯北部に分布している。

形状は、硬くて丸く、滑らかで筋の入った茎が直立して30~60cm伸びている。

切花や花壇用苗としてはマトリカリアの名前でよくでまわり、八重や黄色葉種などの品種もある。

ティーとして利用するなら、ハーブ用を選んだほうがいい。

■分布

原産地はバルカン半島。

山間の低木地帯の岩がちの土壌に自生していた。

その後、観賞用や薬用として栽培されることになり、現在ではヨーロッパ一帯の畑や空き地などあちこちで自生する。

アメリカやカナダでもみられる。

■薬としての歴史

フィーバーフューは、解熱剤や偏頭痛などのさまざまな不調の治療薬として使われてきた歴史がある。

古代ギリシア人は、頭痛や関節炎、抑うつ気分などの不調にも使用してきた。

また、偏頭痛や生理痛、出産後の胎盤の排出や月経不順の改善にも使われてきたという。

ヨーロッパでは16世紀に頭痛、胃の不調、歯痛、神経痛の治療薬として普及した。

■現代のハーブ療法

現在のハーブ療法では、偏頭痛とそれに伴う悪心や吐き気に対処する定番のハーブになっている。

 

■偏頭痛について

偏頭痛は、片側あるいは両方のこめかみから目のあたりまでにかけて、脈を打つようにズキンズキンと痛むのが特徴だ。

ひとたび痛みだしたら、4~72時間続くと言われている。

患者数は840万人にのぼると言われている。

 痛み方

 ○ときどきおこる

 ○ズキンズキンかガンガンと脈を打つような痛み

 痛む場所

 ○頭の片側で起こることが多い。両側でも起こる

 頻度

 ○月1、2回程度。多い時は、週1、2度
 経過  ○1~2時間でピークに達し、ときには吐き気や嘔吐も

 痛み以外の症状

 (随伴症状)

 ○頭痛に伴って吐き気がしたり、胃がムカムカすることがある

 ○頭痛に伴ってふだんは気にならない光がまぶしく感じることがある

 ○頭痛に伴ってふだんは気にならない程度の音がうるさく感じることがある

 ○頭痛に伴って、気にならないにおいにも敏感になることがある

 前兆

 ○頭痛が起こる前兆として、目の前にチカチカとしたフラッシュのような光やギザギザした光があらわれたり、

    視野の一部が見えにくくなる閃輝暗点(せんきあんてん)が出ることもある

偏頭痛についての詳細は別ページで記載する。

■偏頭痛とフィーバーフュー

17世紀ころから、フィーバーフューは、頭痛の治療薬として用いられてきた。

現在では、血流の悪さによる偏頭痛に効果があるとされている。

そのため「奇跡のアスピリン」とよばれるようになった。

近年では、抗ガン作用、男性型脱毛症への効果も注目されている。

また、消炎作用もあることから、リウマチや関節炎、生理痛などの痛みの緩和にも使用されてきた。

フィーバーフューを育てる

■DATA データ

 日当たり  おひさまいっぱい
  水やり   多湿を好む。表土が乾いたら
 分類  多年草
 増やし方  種まき、さし木、株分け
 利用部位  葉、花

■育て方のポイント

多年草だが、暑さに弱いため一年草扱いされることもある。

風通しのよい場所に植え、まめにすいたり切り戻したしてムレを防ぐのがポイントだ。

暑い時期は病害虫の被害にあいやすいので、早めに対処を。

鉢植え株は、涼しい場所に。

花が咲いた後は刈り込んで上手に管理すれば、秋には再び新芽がでる。

冬には霜に当たって枯れることがあるので、株元を腐葉土などで覆って寒さを凌げるようにしよう。

栽培カレンダー

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
 苗の植え付け                        
種  ま  き                        
花     期                        
収     穫                        
作業(株分け)                        
作業(挿し木)                        

■栽培の注意点

  • 適した場所・・・日当たりがよく、風通しの良い場所。鉢植え株は、夏は涼しい場所に移動するとよい。
  • 水やり   ・・・高温多湿に弱く根腐れしやすいので、土の表面が乾いたらみずをたっぷりと与える。
  • 病害虫     ・・・アブラムシ、ハモグリバエ、ハダニの被害が大きく、梅雨以降はうどん粉病や灰色カビ病などが出る。
  • 植え付け

■収穫と利用のコツ

■育て方

日当たりの良い場所と、水はけがよく、乾燥した土壌を好む。

特に土質を選ばず丈夫に育つが、高温多湿を嫌うため、夏場は、水はけと風通しをよく保つように間引くよう心がける。