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Passionflower

パッションフラワー


キーワード

不安や不眠などの精神安定 頭痛 高血圧 過敏性腸症候群

関連

パッションフラワーティー

 学名  Passiflira incarnata
 分類  トケイソウ科ケイソウ属
 和名  チャボトケイソウ、トケイソウ
 症状別の効果  神経系の働きを抑え、緊張や不安を和らげる
 使用される部位  花、葉、茎
 主要成分  フラボノイド、フラボノイド配糖体
 使用は控えるべき点

 妊娠中は使用しない、凝固血剤を使用している場合は効き目が薄くなる

▮パッションフラワーの特徴

パッションフラワーはひげを強くまきつけながら伸びていく蔓植物で、直径10㎝近くの複雑な形をした紫と白の大輪の花を咲かせる。

やがて黄色がかった橙色の卵型の果実が実り、食用になる黄色の甘い果実に小さな種がぎっしりつまっている。

パッションは「情熱」ではなく、「イエス・キリストの愛」という意味。

花の中央部が、キリストが処刑されたときに被っていた冠に似ていたことから、

スペインのイエズス会の宣教師たちが1600年代はじめに名付けたとされる。

果実は、メイポップと呼ばれる。

▮分布

米国南部、東部が原産。

バージニア州からフロリダ州、テキサス州、オハイオ州にかけて分布。

いたるところに自生している。

▮栽培と収穫

パッションフラワーは成長が早い。

十分な日当たりと水はけの良い土壌を好み、しっかり根付けば勢いよく成長する。

葉と茎は夏の終わりに収穫して、日陰で乾燥させる。

ハーブとして流通しているものは米国南東部で自生しているのを収穫したもの。

▮薬としての歴史

アメリカ原住民はヨーロッパ人が来る1000年前から、パッションフラワーの実を食していた。

ある部族は、パッションフラワーの根を調合して傷の炎症を取り除き、肝機能障害を治し、強壮剤としても利用されてきた。

根の浸出液から点耳薬も作っていた。

神経性不安症状の鎮静剤として用いていたこともある。

 

パッションフラワーは北米では1800年代半ばに医療に取り入られ、その後数巡年間にわたって不安障害や不眠症の患者にも処方されたとある。

20世紀には、その成分が市販の多くの睡眠補助薬や鎮静剤として使われたきた。

▮現代のハーブ療法

現在では、睡眠補助薬や心を落ち着かせる鎮静剤として使用されることが多い。

▮用途

・精神の過度な緊張や精神不安などの心の症状

・不眠症

・過敏性腸症候群

・高血圧

・頭痛や生理痛など

 

このハーブは作用が穏やかなので、子供や高齢者、更年期の女性などにも安心して処方できる植物性の精神安定剤として知られている。

パッションフラワーに含まれる化合物は、GABAと呼ばれる鎮静作用をもつ神経伝達物質の影響を受ける能領域と同じ領域に結合するため、これらの働きによって、神経系の働きを抑え、緊張を和らげると考えられている。

▮使い方

・パッションフラワーティーがおすすめ

 

気分の落ち込みや高ぶりなど、心の不調に役立つハーブ。

同じく鎮静効果のあるジャーマンカモミールとブレンドしたハーブティーとブレンドしたハーブティーをおすすめする。

ブレンドの比率は1:1。

相乗効果がえられる。

▮安全のために

眠気やめまいを起こすことがある。

パッションフラワーに含まれるアルカロイドには子宮を刺激する作用があるため、妊娠中の摂取は控えよう。

また、凝固血剤を使用している人は効き目が薄れる可能性もあるので控えるべき。

脚注